母の葬儀が終わった後も 自宅と実家を行き来する日が続いていました。
そんな中で ある日 実家から戻って来る途中に信号待ちしていると なんか見た事ある車が・・・横道から出て来ました。
その横道は、私の自宅の辺りから続いている 抜け道のような道。
あれ?あの車って・・・?
対向車線に出て来たその車は なんと あの人!!!
え?なんで そこから出て来たの?
多分、通勤で そこの道は通って居ない・・・しかも また、あり得ない時間です。
なぜ?と同時に今まで張り詰めていた私の心の糸が切れた瞬間でした。
通り過ぎるあの人の車を見つめる事が出来ない・・・
涙が溢れてしまったのです。
まるで・・私の母が亡くなったのを知っているのではないかと思うような 登場に思えてしまったのです。
妄想でも幻でも・・構わない・・・
あの人の思いがけない出現で 泣けなかった私は 運転が危ないくらい 泣いたのでした。
たくさん泣けた・・・やっと、悲しみを封じ込めていたものを出す事が出来た・・・
そして、また 後に気付くのです。
母が亡くなった日は・・
そのちょうど1年前のその日、子供と一緒に買い物していた時にあの人がこっちを見て密かに笑っていた・・・あの人がレジで私の後ろに並んだ日・・だったのです。
あの人は その日を覚えていたのでしょうか・・・
そして、それこそ・・新聞のお悔やみ広告で偶然にも 喪主の私の名前を見つけたのでしょうか・・・それは今は知る術はないのですが、そう思う位に 絶妙過ぎる遭遇だったのです。