出会いから2年ほど経ったある日、私は偶然 彼が仕事途中で外を歩いている姿を見つけました。
そんなに頻繁に会っていたわけではないのに 遠目で見て 一目で 彼だとわかりました。
秋のお日さまの光を浴びて・・・ 柔らかな、緊張感のない雰囲気に 私の目は 釘付けになりました。
ほんわかした 温かい優しい それでいて凛とした雰囲気。
見つけて・・何故か 心が熱く 嬉しさでいっぱいになりなした。
それは、恋に落ちた瞬間でした。
その時は、恋 だと思いました。
カッコいいとか そんなんじゃないのです。
若くて元気で 悩みなんてなさそうな(もうちょっと空気読んでよ!と言う感じに失礼な時がある)彼の 意外な佇まい・・・
今 思うと 人を認識するのがものすごく下手な私が 滅多に会わない彼を遠目で すぐに 認識できたことは 不思議な事です。
特に目立つ特徴があるわけでは無く・・なので。
職場では いつも明るく振舞っていても それは あくまでも表面的なもので 周りに気を許しきれない状況なのではないかと 私は感じたのです。
そして その日から 終始 彼の事を考えるようになるのです。
表現するのなら『決して報われない 不毛な片想い』と言ったところでしょうか・・・
ただ、見ているだけで 告白するでも無く(私は夫も子供も居る・・そんな気持ちになる事自体が罪と思っていたし、相手も既婚者だから 尚更・・)
時々会うのも 公の場でだけで・・・
私の中では『あり得ない』感情に囚われる事になったのでした。